公認会計士を目指す前にまず簿記二級を取れ!

公認会計士

くま
公認会計士は資格で稼げるって聞いたくま。今の会社じゃ大きな昇給も見込めないし、転職を見据えて公認会計士を目指そうかな…

ぶた
成長を求めるのはとてもいいことだね!でも資格取得を目指すのは良いことばかりではないんだ。特に現在仕事をしている人は、慎重に考えよう

この記事を読んでほしい人

  • 公認会計士を目指そうかなと考えているが、まず何から始めればよいかわからない
  • 自分には公認会計士の素質があるかどうか知りたい

この記事を読めばわかること

  • 公認会計士を目指すことのメリットとデメリットが分かる
  • 公認会計士を目指すにあたってまず最初にやるべきことが解る

私は28歳で会社を辞めて、その後自営業をしながら公認会計士試験の勉強をし、31歳で合格しました。

私の実体験を交えながら、公認会計士を目指そうと考えた人がまず最初にやるべきことと、本気で目指すべきか否かの判断基準をお伝えします。

結論

まず結論からおしします。

公認会計士を目指そうと思いついたなら、まず簿記二級に合格してください。

会計士トモヤ
会計士トモヤ

どういうこと?と思われる方もいるかもしれませんので、私の考え方やその理由についてお話していきます。

公認会計士試験は簡単な試験ではない

これから会計士試験を目指そう!という人を脅すつもりは無いのですが、現実問題として公認会計士を目指すことで失うものも多くあります。後から後悔しないように、リスクしっかり検討した上で判断をしてほしいのです。

合格率からだけでは測れない試験難易度

公認会計士試験の合格率をご存じでしょうか?

詳細は割愛しますが、公認会計士試験は下記の2段階の試験からなります。

  • 短答式試験:マークシート方式の試験。毎年5月と12月に実施。
  • 論文式試験:論述式の試験。毎年8月に実施。

短答式試験に合格した者が、論文式試験を受験できます。それぞれの合格率について、

欠席者を含めない実質合格率は、短答式試験で約15%論文式試験で約40%と押さえておきましょう。

公認会計士試験の難易度と合格率を徹底解説| 公認会計士|資格の学校TAC[タック] (tac-school.co.jp)

2つの試験の合格率を掛け合わせると、単純計算で15%×40%=6%となりますから、公認会計士試験全体の合格率は6%です。

しかし、この6%という数字はあくまでも「短答式試験受験者を分母とした場合の論文式試験合格者」の割合です。どういうことかと言いますと、公認会計士試験を目指した(予備校の講座を申し込んだ)けど短答式試験を受けずに撤退した人は考慮されていません。

短答式試験は難しい

マークシート方式と聞くと、なんとなくいけそうだなって思いますよね、わかんなかったらとりあえずエンピツ転がしとこーみたいな(笑)

ところがそれは大きな間違いで、短答式試験ってすごい難しい試験です。

試験科目の数は4科目で、論文式試験よりも2科目少ないのですが、その4科目の試験範囲としては論文式試験とほとんど変わりません。というか一部の科目では論文式試験より広い試験範囲となります。

もちろん論文式試験は記述式なので、論述の仕方や典型理論の暗記が必要など、短答式試験とは違った難しさはありますが、単純に知識という側面では論文式試験より幅広い内容を覚える必要があります。

ですから、高いお金を払って資格予備校の公認会計士講座を申し込んでも、短答式試験に行きつくまでに諦めてしまう人も一定数います。逆に言うと短答式試験の受験者というのは、その時点で相当な努力を積み重ねている人の集まりなわけです。その中でたった15%しか合格しないのですから、短答式試験合格がいかに難しいかお分かりいただけるかと思います。

正確なデータは無いのですが、私の周りを見ていても、2~3割くらいは短答前にはいなくなってました。この数値を前提とすると、「会計士講座に申し込んだ人の内、論文式試験に合格する人の割合」は5%を下回ってきます

時間的リスク

公認会計士試験に合格な知識は膨大なものになります。結果として合格までには長い時間を要します。

色々な考え方があると思いますが、私の感覚では会計士講座の開始から論文式試験まで2年半で合格できれば、早い方だと思います。この2年半というのは資格予備校でも最もメインとなる講座として設定されているコースだと思います。

具体的には、

  • 1年目:4月頃を目安に講座開始
  • 2年目:12月の短答式試験に合格
  • 3年目:8月の論文式試験に合格

という道筋です。そして大切なことは、前述の通りその合格率は5%程度だということです。いずれかの試験に不合格だった場合は次回の試験での合格を目指すことになりますから、期間はどんどん長くなっていきます。

金銭的リスク

時間的リスクでお話しした通り、会計士試験は長期間を要しますので、予備校代もそれなりの金額になります。

大手3社を比較すると下記の通りになっています。

CPA会計学院 2年スタンダードコース:780,000円

TAC 2年チャレンジ本科生:810,000円

大原 2年初学者合格コース:780,000円

公認会計士予備校の費用【安くする3つの方法も紹介】 (cpastudying.com)

資格を取るための投資と考えれば正直安いものなのですが、ポンと出せる金額ではないですよね。勉強したことが無駄になるとは言いませんが、高い金だけ払って結局合格できなかったとなると、お金をドブに捨てたも同然という結果になってしまいます

会計士講座を申し込む前に、自分の素質や覚悟を見極めることが大切

ここまで散々脅すようなことを言ってきましたが、実際私の周りでも会計士試験を撤退して、思い描いていた生活とはかけ離れた生活をしている人もいます。いまこれを読んでいる皆様は、少なからず人生を変えたいと考え、会計士試験を検討しているのだと思います。

そんな皆様には、会計士試験を目指した後で絶対に後悔してほしくないので、会計士講座を申し込む前に自分の素質や覚悟を見極めてほしいのです。

会計士トモヤ
会計士トモヤ

会計士の素質や試験合格を目指す覚悟を確かめるにはどうしたらよいのでしょうか?それについて次章でお話しします。

公認会計士試験合格までの具体的な道のり

私がオススメしたい公認会計士試験までの具体的な道のりは次の通りです

  1. 簿記3級に合格する
  2. 簿記2級に合格する
  3. 公認会計士講座を申し込む

つまり、公認会計士講座に申し込む前に簿記2級合格を目指す、ということです。

簿記は会計士試験の入り口

会計士についてあまり詳しくない方は、

くま
簿記と会計士って何か関係あるのかくま?

と思うかもしれません。実は大ありです。

まず「簿記」というのは「帳簿記入」の略で、商売するときに売上や仕入を帳簿に記入する方法を学びます。一方で会計士はその名の通り「会計」の専門家なわけですが、「会計学」というのはざっくり言うと帳簿の記入方法に関する学問なのです。言うなれば会計士は「簿記の専門家」というわけです。

簿記2級は結構難しい

「2級」と聞くと、

くま
1級の次ってことでしょ、なんかそれなら大したことなさそう

と思われるかもしれませんが、これが結構難しい試験なのです。

合格率で見ると

実施回により多少の違いはあるものの、合格率は10~30%前後で推移しています。

簿記2級の合格率の推移と合格率が低い理由、ネット試験の特徴を解説|簿記検定|資格の学校TAC[タック] (tac-school.co.jp)

合格率が高い時でも30%ほどですから、そんなに簡単ではないのかなと分かるかと思います。

私が前職で働いていた時に経理のおばちゃんと仲が良かったのですが、そのおばちゃんは「簿記2級何回も受けたけど全然受かんないからもう諦めちゃった」って言ってました。経理ですから、仕事で会社の帳簿を扱っているにもかかわらず、落ちてしまうわけです。

簿記2級で、自分の素質と覚悟を見極める

簿記は会計士試験の入り口であり、簿記2級は結構難しいと書きました。しかしながら、会計士試験合格に必要な知識全体に対して、簿記2級の試験範囲は感覚的には恐らく10%にも満たないです。

つまり、簿記2級に合格できないようでは会計士試験に合格するのは到底不可能だということです。

ですから、簿記2級に合格できないのであれば、会計士試験は諦めるべきなのです。簿記2級は簡単ではないですが、一部の天才にしか合格できないという類のものではありません。コツコツ努力すれば誰でも合格できる試験です。簿記2級に合格できないということは、正しい努力が出来ないということであり、元をただすと勉強を続ける覚悟が無いということです。そのような状態で会計士試験を目指したら、本当に時間とお金を失うことになります。

また、簿記2級に合格してもしなくても、勉強をしていく過程で「なんか思ってたのと違う」とか「全然面白くないじゃん、こんなことに時間掛けるの無理だわ」となれば、別の道を探せばよいのです。人によって向き不向きはあります。

ですから、会計士試験に申し込んで高い金を払うとか、勉強に専念するために会社辞めちゃうとか取り返しがつかないことをする前に、まずは簿記2級で見極めをしてください。

簿記3級は受ける必要あるの?

最初から簿記2級を受ければいいんじゃないか、という疑問にお答えします。これについては、簿記3級はマストではないです。これはチェックポイント的に使ってもらえればよいのかなと思います。

簿記3級は平易な試験ですから、入門にはちょうど良いです。合格すれば嬉しいですし、努力の方向は正しいんだなと確認できますよね。

簿記1級は受ける必要あるの?

これに関しては、必要ないです。というか会計士試験を目指す場合簿記1級は受けないでください。簿記1級はひじょーーーーーに難しい試験です。あまり大きな声では言えませんが、公認会計士試験に合格してても簿記1級は落ちたって人は結構います。それは試験傾向の違いが理由ですが、わざわざ簿記1級に向けた準備をするくらいなら会計士試験の勉強をした方が効率的です。

税理士試験の受験資格が欲しいという理由で目指すというのであればまだわかりますが、それ以外の場合は不要です。そして税理士試験の受験資格という意味では「全経上級」の方が受かりやすいです。

まとめ

今回の記事のまとめです

  • 公認会計士試験には時間もお金もかかる
  • 時間とお金を無駄にしないように、申込み前に自分に会計士の素質や試験合格を目指す覚悟があるか見極めよ
  • それを見極める方法は、簿記2級

私も簿記2級に合格してから会社を辞めて会計士講座に申し込みました。もちろん、簿記2級に受かったからと言って必ず会計士試験に受かるわけではないですが、簿記2級に合格できない人は会計士試験に合格することはできません。

私はこれから会計士を目指したいと考えているひとを全力で応援したいと考えています。だからこそ絶対に後で後悔してほしくないのです。もしこの記事で分からないことや、私に聞きたいことがありましたらお気軽にコメント、お問い合わせいただけると嬉しいです。

コメント

タイトルとURLをコピーしました